この記事で伝えたいこと
- 事務系公務員からエンジニア系職種を目指す方への体験記
- 事務系公務員から民間企業に転職しての実際のところ
はじめに
公務員から民間企業へ転職する人が増えているらしい。
私が公務員を辞めて民間企業へ移ったのは6年程前。 当時は行政職公務員から(それなりの)民間企業はできないという風潮だったが最近は増えているようである。
ネット上で公務員から民間企業への転職を検索しても広告目的ばかりなので、この記事では自身の体験を書いてみる。
民間企業に移って最高!とか、キラキラした暮らしをしている!という要素はありません。自分で選択したことを後悔しないよう、できるだけの日々を重ねているだけである。
なぜ転職を考え始めたか
公務員の仕事は結構好きである。 事務分掌が決まっているのも、事務仕事や調整、資料作成は自分に合っていた。 心が震えるような仕事や、規模の大きな業務も多く経験させてもらった。
それなりに大きな組織の公務員だった。それなりに出世コースの部署にもいた。 だけどある時、その月の残業が100時間超えて(※季節業務)、まともに帰れず、歯が欠けた状態で、 一番近所のカップルホテルで2時間仮眠をして(※自費)、出勤し業務をしていた。
そしてミスが許されない場面で、結構なミスをしてまぁ問題になった。 決裁を通して行った業務だったけど、上層部は結構誰も守ってくれなかった。 同僚とかは明らかに落ち込む私を見て、陰で業務を支えてくれたりで今でも感謝している。
それまでは結構がむしゃらに職場に奉公していた、所属長からは次回は特例的な昇任もちらつかされていたけど、それも暗になくなった雰囲気を感じ、職場を辞めることを胸にした。
当時は仮想通過が大ブーム。自分も一攫千金を夢見て例にもれず手を出して、だけど直後にコインチェックがXRPを流出して損をしたり(30万円ぐらい)、なにもうまく行かないなぁ、なんて悶々とする日々を過ごしていた。
一方で職場ではエースと呼ばれる職員(鉄人と呼ばれていた)が、困難な対応の部署に送られ休職する姿を見て、 なかなか組織のためだけに心身をすり減らして働くのは厳しいなと一層思うようになった。職場に縛られない何か自分にゆるぎないスキルが欲しいとも思った。
自分がスキルを身に着けるとしたら、、昔を振り返ると中学時代にSOTECのパソコンが自宅にやってきてから、結構なネット世界にのめり込む生活をしていた。 中学生時代はハンゲームやMMOにのめり込み、大学生時代は時間を持て余して2chの大学生活版(※2010年前後は活気があった)でレスバトルをしたり、ブラウザゲーで海外のゲーマーとnoobと言いあいながら戦うくだらない生活をしていた。 あとは、ネット上でMDMIファイルを落として編集し着メロにしたり、田舎だったので周りの友人の間では恐らく私が一番ネットスキルが詳しかったのだが、数年の公務員と激流のITであっという間にtwitterだとかインスタだとかの話題についていけない側となった。
そんなくだらない過去の記憶と、はてなブックマークはずっと見ており、理解できないようなIT用語が飛び交っているのと、プログラミングで縛られない生活なんていいな..と思って、ITの勉強を始める。 何事も形からということで、奮発して15万のSurfaceLaptopを買った。 それでProgateでRuby/Railsをひたすらやりこむ日々と過ごした。
公務員の仕事は毎日定時に切り上げ、ひたすら22時までは毎日喫茶店でプログラミングの勉強をしていた。 公務員で非常に悔しい思いをしていたので臥薪嘗胆ということで、休みなくProgateをやっていた。 職場と喫茶店の往復しひたすらパソコンと向き合う生活。年末年始の時期とかProgateのランキングで全国で5番以内の学習量だった気がする。 プログラミング学習は全然苦しくなく、むしろ知らないことをどんどん吸収できるのが楽しくて仕方なかった。過去挫折をした基本情報技術者試験の勉強をした。
また、当時は自分でWebサービスを作って転職という記事を見ていたので、あれこれエラーと格闘しながら以下の記事もQiita公開した。 当時記載した記事が以下。 ▼未経験からRuby・Railsを独学してWEBサービスを作るまで
そこそこのいいねをもらえて手ごたえを感じた記憶がある。 プログラミング学習を始めてから1年で、基本情報技術者・Rubyの資格までには取得した。
あとはRESASアプリコンテストに応募したりして、これを受賞して職場でも一目置かれるんだ!なんて妄想したりしたけど、あえなく落選。 結構悲しんだ記憶がある。
初めての民間企業転職活動
そんなこんなで上記Webサービスを作った実績と、基本情報等の資格を武器に、いざ転職エージェントへ登録する。 最初に登録したのは業界最大手のリ○ルートエージェント。面談をセットしてもらい、上記のPR資料と転職したい相談を持ち込む。
担当の女性の担当の方はPR資料には触れず、いくつか企業募集書類を持ってきてくれた。 求人は、、残念ながら行きたいと企業はなかった。。 当然未経験のアラサーにエンジニア等の技術系職種の紹介なんてなく、これが公務員の市場価値か..と結構落ち込んだ気がする。
余談だが、この女性の担当の方は非常に良くして下さり、有名企業を好む私の嗜好をくみ取ってか、名前の知られるコンサルファームの1次面接を受験させてくれたりした。(私が受験したのはその1社のみである。なお、1次面接で落ちた。) この担当者の方は公務員だから~経験が~などと言うことは一切なく、真摯に対応してくれた。今後転職を考える時もリ○ルートエージェントさんだなと思っている。 ※他の転職エージェントでは面談すらセットしてもらえませんでした。
初めての直接応募と採用内定
なかなかエージェント経由の選考は厳しいことが分かったが、調べていると何かの記事でエージェント経由より直接応募の方がうかりやすいというのを見たので方針転換。応募したい企業のページを見るようになった。(エージェントに出ている求人も参考に)
そんな中、昔ニュースで見たソフトウェア企業の求人を見つける。 新規開設部門とのこと。しかも経験は問わず30歳以下はポテンシャル採用あり。これはチャンスと思い応募した。 応募職種は営業職でしたが、以下理由で挑戦することにしました。 - 自分が働きたいと思える企業だった。 - リ○ルートエージェントの担当の方が、営業職は転職市場で強いと言っていた。
結果、応募したこの企業で内定までいただくことができた。面接では必死で自分が実現したいことを語った気がする。 自作Webサービスや基本情報技術者がどこまで効いたかは今でもわからない。 非常にタイミングが良かったことは間違いない。
営業時代と部署異動
営業は非常に忙しかったが楽しかった。 知らないあちこちの場所に行って、知らない業界の人や業務を知り、感謝もされることもそこそこあった。 だけど、心の底で技術面のスキルをもっと磨きたいという思いを持ち続けていた。 割と忙しく、昔のようにプログラミングと格闘することもない日々を何年か過ごしていた。githubも真っ白。
しかし、数年後たまたま社内で技術職のポジションのオープンがあり、希望を伝えエンジニア系への部署異動がかなうこととなった。
そんなにうまくはいかない
何事も順風満帆に行くわけでなく、今の職場では公務員のように明確な事務分掌があるわけではない。 自分の場所がなくなる感覚を何度も味わったし、もう自分ここにいなくていいかなと思うことも何度もある。 何かを細かくチェックしてくれる上司もいないし、誰かと反りが合わないこともある。 公務員時代のようなディープな人間関係も存在しない。(毎日飲み歩いたりとか?)
面接でお世話になった方も半分ぐらいはいなくなってしまった。 何度も転職したいなーと思って、やっぱり一旦そう思うのは辞めて、あの時辞めなくてよかったを繰り返す日々。
これからどうしたいの??
公務員時代に目標としていたスキルを身に着けることは、公務員時代よりは向上している。 別に資格は評価されないが、基本情報技術者だけだったのが、ITストラテジストや情報処理安全確保支援士、TOEICも900近くまで伸ばした
それで満たされることはなく、結局はどこにいても、自分自身がどんな思いを持って何をやり遂げられるかに尽きるのかもしれない。 そして、人生をかけて何かを成し遂げたいと悩むには私は歳をとりすぎてしまったようである。
公務員から民間企業への転職を考えている方へ
無責任ですが辞めて全然いいと思っているし、応援します。
先輩面してアドバイスすることは何もないのですが、自分が何が好きで何をしたいのか一緒に考えましょう。 私は今でも公務員の仕事が好きです。
(番外編)給料はどうなった?
公務員を続けていた場合と比較して退職金や住宅手当を考えると正直トントンです(地方)
公務員時代: - 450万~550万ぐらい(残業代込み・退職金別途・その他手当込み)